ランチ営業はしない方がいい?
レストランや居酒屋、焼肉店など、夜の時間帯の営業をメインとしている業態の場合、ランチ営業をしていない店もあります。断言はできませんが、こういうお店は経営がうまくいっているといえるでしょう。なぜかというと、「夜の営業時間だけで利益を出している」ということを意味しているからです。
営業時間をより長くすることで、売上をさらに上げたいと考える経営者も多いのは事実です。営業時間が長くても短くても、支払う家賃の金額は同じなので、稼働率をあげたいと思うからです。
ただ、夜の短い営業時間で利益が出ているのであれば、経営的には非常に効率のよい状態といえます。そういう意味では、ランチ営業をせずに利益を出す仕組みをつくることは経営的に非常に重要なポイントになります。
一方、ファミレスやカフェ、ラーメン店などは、ほとんどの場合、ランチ営業をしています。これにはさまざまな理由がありますが、最も大きな理由の一つとして、「夜営業の客単価が低い」ことが挙げられます。夜営業だけで採算が取れにくい業態なので、ランチから営業して売上をあげる必要があるのです。
レストランや居酒屋がランチ営業をする理由
■夜営業で食材が余る
ディナーコースや宴会メニューの仕込みや仕入れは多めに準備をする必要がありますが、余った食材を翌日のランチで使えば、少しでもロスを減らすことができます。新鮮なうちに材料を使い切ることは、とても重要なのです。
■社員スタッフの人数がそろっている
スタッフ数が充実していれば、営業時間を伸ばしやすくなります。社員であれば固定給であることがほとんどなので、人件費率も下がります。朝からランチの準備をし、間に仕込みを挟んでディナーといった流れとなりますが、それぞれの時間帯で担当を分けているお店も多いのです。
■仕込みにあまり手間がかかっていない
多くの場合、夜営業の準備は午後から行いますが、仕込みが比較的簡単な業態もあります。単純作業であったり、省スペースで仕込みをしながら調理が可能なメニューであったりする場合は、ランチ営業が可能になります。
また、ランチのメニュー構成については、できる限り「手間をかけない」ことが鉄則となります。基本的には夜のメニューを優先して構成し、余りそうな食材や多めに仕込んだ料理でランチメニューを提供します。夜のメニューの仕込みの際に、同時に翌日のランチの仕込みができれば非常に効率的です。
ビジネス街や商業施設での出店など、ランチ営業が必須となるケースもありますが、基本的には、効率性を重視してランチ営業のプランを練ることが重要です。