ステッカーはダウンロード、自己申告で掲示
新型コロナウイルスの感染防止対策に取り組んでいることを示す東京都のステッカーを掲示していた江戸川区のフィリピンパブで、クラスター(感染者集団)が発生していたことが分かった。同店は飛沫ひまつ防止などの対策を取っていたといい、ステッカーがあっても必ずしも「安全」ではないことを示した。
「感染対策にはかなり気を付けていたと聞いており残念」。江戸川保健所の担当者が声を落とす。クラスターが出たのは、東京メトロ東西線西葛西駅に近いビルのフィリピンパブ「マヨン2」。
同店がビル入り口に掲示していたのが、虹色模様が目印の「感染防止徹底宣言ステッカー」だ。都が飲食店や遊興施設に掲示を努力義務としている。各店は、都のホームページにある「手洗いの徹底・マスク着用」「できるだけ2メートルの距離を保つ」「体調不良の従業員は帰宅させる」といった対策項目を満たしていればチェックを入れ、ダウンロードする。全業種の共通項目は16で、マヨン2のようなパブはさらに5項目増えて計21項目になる。
ただ、都がステッカー掲示店の対策状況を実際に確認したり、感染者が出たかを把握したりする仕組みはなく、ステッカー取得は店側の自己申告だけで可能だ。
保健所などの聞き取りによると、同店は7月半ばにステッカーを申請し、手指消毒や室内換気、マスクやフェースシールドの着用といった対策を実施していた。