コロナ禍飲食店応援 佐倉の農園

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イチゴ無料提供

 佐倉市で完熟イチゴを生産する農業生産法人「実川農園」が、冷凍保存していたイチゴ150キロ分を市内の飲食店に無料提供している。イベント用に取り置いていたが、新型コロナウイルスの影響で中止となったため、経営に苦しむ飲食店支援に回した。社長の実川明さん(51)は「困った時はお互いさま。新商品の開発に使ってもらえたら」と話す。

 初めての栽培は、いきなり大型台風や記録的な豪雨に見舞われた。「幸い、長期停電は苗を植える前だった。冠水したが、高設栽培だったのでイチゴは無事だった」と実川さん。収穫期を迎えると、卸先のスーパーの直売所で朝採れの完熟にこだわったイチゴは人気を集め、客がハウスにまで買いに来るほどになった。

 規格外で商品にならなかったイチゴは、今夏のイベントで使おうと真空パックして冷凍保存していた。しかし、新型コロナ禍でイベントが全て中止に。行き場がなくなったイチゴをネット販売することも考えたが、経営が苦しい飲食店の支援になればと、市内の17店舗に5~20キロずつ無償で配ることにした。

 提供するのは、どれも味に自信がある今年収穫した「とちおとめ」「チーバベリー」「かおり野」「アイベリー」の4品種。「コロナで飲食店もなかなか新商品の開発に手が回らないと思う。うちのイチゴを使って料理人がどんなメニューを作るのか楽しみ」。実川さんは笑顔で話した。

千葉日報オンライン
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